高専で学んでいる中で情報系への興味が強くなり、その中でAI等について学べる大学を探し、いくつかの大学を候補にあげました。その中で推薦制度もあり、比較的生活しやすく家賃も含めた生活費が安価ということもあり、九州工業大学の情報工学部知能情報工学科を選びました。
プログラムを通してロボットや自動車などの実機を動かすことをやりたいと考えている中で、生命体の先生の中に家庭用のサービスロボットや自動運転を実際に扱っている研究室があることを知りました。また、分野横断型の研究が多く、他の大学や研究室とのつながりが強いことも魅力的に感じました。
そのため、4年生から生命体の先生に指導を受けられる制度を使って若松キャンパスで卒業研究を行い、大学院からはそのまま生命体工学研究科に進みました。
大学院のみキャンパスで研究色が強いこともあり、学部の勉強に自信がなくても、新しいことをやってみたいといったモチベーションが高く環境の変化に抵抗がなければやっていけます。また他大学・高専生と交流しながら自動運転実習など実機を動かすような課題解決型のイベントや、小学生と交流する場もあり、いろいろな人とかかわりながら学ぶ場面が多いことも特徴だと思います。また、留学生や海外の短期インターン生が多く、キャンパス内でも英語を使う機会が多いのも特徴です。
サービスロボットの研究開発を行っています。今はまだファミリーレストランなどで導入され始めた配膳ロボットぐらいのことしか実用化されていませんが、将来的には「自然言語からタスクを理解し、どのようにタスクをこなすか」ということを目標として研究に取り組んでいます。具体的には「ジュースをとってきて」のような命令から、ジュースを探す、掴む、運ぶ、渡すといった動作の順番を予測するとともに、それらの動作をロボットでどのように実現するのかといった課題に取り組んでいます。研究室では、タスクの理解や動作実現のためのプログラムを開発するソフト面と、動作高速化などを目的とした回路実装などのハード面の両面からのアプローチを行っています。
私はオンラインも含めて3年間で8回学会に参加しました。国際学会においても、サービスロボットの発表は注目度が高く、興味を持った方に広く聞いてもらえるため、多少つたない英語でも海外の研究者とディスカッションでき、楽しく英語力の向上につながりました。
また、国内学会でも同じ分野の研究者を知り、交流の輪が広がりました。インターンシップも学会の中で決まったりするなど思っていた以上に得るものが多かったと思います。
色々理由はありますが、3年間研究を続けていて、もっと深く研究したいという思いが強くなったことと、大学からフェローなどの間接的な金銭的支援があることが決め手でした。修士の時は月に家賃と食費くらいは十分に賄えるくらいの支援があり、博士であればもっと支援が大きくなるので経済面の心配をほとんどしなくてもよいのが九州工業大学の大学院のいいところだと思います。
学生プロジェクトに参加しており、作製だけでなく色々なデモ等を通して一般の人と交流をしたり、イベントなどで海外にも行ったりしました。またその結果は研究活動にもフィードバックできるので一石二鳥でした。
高専からの編入は推薦などもあり、優遇されている面もあるので色々調べて活用してみてください。また、編入生委員会というものもあり、編入生をフォローしあう仕組みもあります。単位認定など学部生と違った仕組みもありますが、他大学に比べると入ってからの互助システムもしっかりしており、編入生にやさしい環境が整備されています。専攻科からの入試制度や、高専インターンシップの制度もあるので興味がある人はぜひ利用してみてください。